NS1を10年以上自宅の裏庭に放置してました、ふっと思いたってレストアをすることにしたのですが、キャブにはエアクリーナも付いて無くキャブ丸出しです、恐らく10数年前に掛かるかchallengeしたのでしょう、恐らく掛からずそのまま放置したのだと思います。
今度はその様なことが無いように最後まで面倒をみてみます、今回はキャブのオーバーホールの始まりです。
キャブレターを外していきます。 車上でキャブ単体で降ろせます
まずフューエルコックをOFFにします。黄色の所のフューエルホースを外しておきます、燃料が出てくるので素早くホースを塞ぎましょう。
すでに外れてますがスロットルバルブを取り外します。青枠の所からフロート室にあるガソリンも抜いておきましょう。あとは色々の10mmナットを2本外せばキャブレタが外れます。
これが10年以上放置をしたキャブレタの中です
中は想像通りのヘドロ状です、右上はリードバルブです、こちらも点検して清掃していきます。
ひとまずは、しばらくキャブクリーナーに浸け置きをしておきます
ケミカルはWako’sが良いですね、ちょっとお値段が高いですが👍
リードバルブとは
2サイクルエンジンのリードバルブは、燃料と空気の混合気をシリンダー内に取り込むための装置です。一般的に、2サイクルエンジンはリードバルブを使用して、シリンダー内に燃料と空気を送り込み、混合気を圧縮して燃焼させます。
リードバルブは、シリンダーの吸気ポートに配置され、シリンダー内の圧力差を利用して開閉します。エンジンが作動すると、ピストンが下降することでシリンダー内の圧力が低下し、リードバルブが開いて混合気が吸入されます。次に、ピストンが上昇すると、シリンダー内の圧力が上昇し、リードバルブが閉じて混合気がシリンダー内に閉じ込められます。
リードバルブは、2サイクルエンジンの吸気系統において重要な役割を果たし、エンジンの性能や燃費に影響を与えます。適切なメンテナンスや調整が必要です。
ジェット類も外しておきましょう
ここからは、現車のキャブのO/Hの画像があまりないので、先日知人のNちびのキャブをO/Hした時の画像でみていきます
このキャブはチョークがレバー式ですね、現車のNS1はソレノイドを引っ張るタイプでした。ここからまず下側のフロート室をビス2本で取り外していきます、外れずらくても間をドライバーなどでこじったりしないでくださいね。ここはしっかり握ってプラスティックハンマーなどで軽く叩いてはずしましょう。
※チョークの役割は燃料を濃くする役割がありますね、
冬など、気温(温度が下がると)同じ容積のなかでの酸素や窒素などの爆発に必要な空気量が増えていきます、エンジンを調子よく動かすためには理論空燃比 14.7:1 (空気:燃料)の混合気を作ることが理想となります。すなわち気温が下がると空気の14.7が多くなり対するガソリンが少ない状況になり掛かりずらくなります、そこをキョークを使って空気量を絞ってガソリンの割合を上げて始動性を良くする為です。
レストア中などで冷間時エンジンを掛ける際、チョークが作動しないときはキャブの入り口を掌などで塞いであげるとチョークと同じ効果が得られますね、ただバックファイヤーなどを起こしている時は火傷に注意してくださいね。
補足ですが最近の車両は水温センサーや外気温度センサーなどが付いておりそこからの情報をコンピュータに送りその情報からスローポートを塞いだり(アクチュエータでリアルに作動)点火時期を変えたり噴射時間を延ばしたりと緻密に計算されたプログラムでいつでも誰でも簡単にエンジンが始動できるようになってますね。昔の車は(ソレックスなど)冬場のエンジン始動は一発勝負でしたね、緊張感がありました、
フロート室です、割と綺麗ですね、ここで点検するメインはフロートバルブの作動です、黄色丸がフロートバルブです、フロート室に溜まる燃料の量を調整するバルブです、フロート室に燃料が入りフロートが浮き上がって規定量になるとポートを閉めて燃料が止まりまた減るとポートを開けるというのがこの部品の役割です。真ん中の爪の部分で調整をするのですが基本的にはあまりいじる所では無いかと思います。ちなみに高いとかぶり気味になり、低いと燃料が薄くなり燃焼室温度が上がり最悪焼き付きの原因ともなります。あと3枚目の画像のように一晩水に浸けて巣穴などで水が侵入しないかを点検します、現代のフロートはプラスチックになってますが昔のフロートはこのように鋳鉄でできているので、ハンダのところなどから水漏れをしてフロートが沈むというトラブルもあったので点検しておきます。
フロートバルブの点検をします
フューエルホースを外したポートにホースを取り付けます、キャブを通常の取り付け角度程で固定してフロートを軽く持ち上げてフロートバルブを閉じます※強く押し上げないように、強いとバルブ先端を痛めたりフロートレベルが変わったりするので軽く優しく押さえます。
液体を入れていきます、水でも良いかと思いますが、水を使た後はしっかりとエアブローしておきましょう。フロートバルブを動かして見ながら液体が落ちてくる状態を確認します、フロートバルブの受け側にはスプリングが入っているのでこのスプリングの力が無くなった時にガソリンが出てくる構造です、これはバイクが振動したりコーナーでバンクしたときなどでも安定してガソリンが落ちてくるようになっています。古いバイクなどで駐車中などにガソリンが漏れてるのはこのフロートバルブが引っかかってガソリンが流れ出してる事も多々ありますね。
ジェット類を清掃していきます
スロージェットにメインジェットです今回は変更なしのO/Hですこの青い工具はキャブのジェットのポートを掃除する工具です。無理にこじらず優しく掃除をした方がよさそうです
逆の手順でキャブを組み上げていきます
綺麗に見えましたがメインジェットが詰まってました
フロートを調整しておきましょう、スロットル、アイドルスクリュは初期設定は一杯に締めこんで 1回転半戻しです。おおよそこれでエンジンは掛かると思います。
パッキンを換えて、シールパッキンを薄く塗布しておきましょう、キャブレター内はゴミなどが混入しないように注意して組付けていきます。
あとはエンジン調整をして完成です
補足説明 キャブの部品
キャブレターのメインジェットは、エンジンに燃料を供給する際に使用される部品の一つです。メインジェットは、キャブレター内の燃料供給管に取り付けられ、エンジンの主要な負荷条件(通常は高負荷時)で燃料の供給量を制御します。
具体的には、メインジェットは燃料を吸い込むための小さな穴が開いた金属製のチューブで構成されています。エンジンの負荷が高い場合、キャブレター内の空気の流速が速くなり、それに応じて燃料の需要量も増加します。メインジェットの穴の大きさは、この需要に対応して燃料の供給量を調整します。穴が大きいほど燃料の流れが多くなり、穴が小さいほど燃料の流れが少なくなります。
メインジェットのサイズは、エンジンの性能や燃料のタイプ、気温、高度などの要因によって異なります。エンジンの調整やチューニングにおいて、メインジェットの交換や調整が行われることがあります。
キャブレターのスロージェットは、エンジンの低速やアイドリング時に燃料を供給するための部品です。スロージェットはキャブレター内のエアと燃料の混合を制御し、エンジンが安定して低速で動作することを可能にします。
具体的には、スロージェットはキャブレター内のスローパイロット回路に取り付けられており、エンジンが低速で動作するときに燃料を供給します。エンジンがアイドリング状態にあるときや、低速で走行しているときにスロージェットから燃料が供給され、エンジンの安定性とトルクの発生を支えます。
スロージェットのサイズや設定は、エンジンの特性や使用条件に応じて調整されます。エンジンのアイドリングや低速時の安定性を確保するために、スロージェットの適切な選択や調整が重要です。
キャブレターのフロートは、燃料供給を制御する重要な部品の一つです。フロートは、キャブレター内のフロート室内に浮かび、燃料のレベルを制御します。
具体的には、燃料タンクからキャブレターに供給された燃料は、キャブレター内のフロート室に貯められます。このフロート室には、フロートが浮かんでおり、燃料のレベルに応じて上下します。フロート室内に供給されると、フロートは上昇し、燃料のレベルが上がります。一定のレベルに達すると、フロートが上昇し、燃料の供給をストップさせます。エンジンが動作して燃料が消費されると、フロートは下降し、再び燃料の供給を開始します。
フロートの動作によって、キャブレター内の燃料レベルが一定に保たれ、エンジンに必要な燃料の供給が確保されます。これにより、エンジンの正常な動作が維持されます。
コメント