FIAT500F 『WEBERーTIPO 261MB10』のキャブレターをオーバーホールしていきます、今回は中の状態とジェット類の汚れやつまりと調整を行いたいと思います
キャブレターとは
キャブレターは、内燃機関において、エンジンに必要な燃料と空気を混合し、それをシリンダーに供給する装置です。基本的には、エンジンの吸気口に取り付けられ、燃料と空気を混ぜるための複雑な機構を内蔵しています。この混合物は、燃焼によってエンジンの動力を生み出す際に使用されます。
キャブレターは、古い車やバイクなど、ガソリンエンジンに使用されることが一般的で、近年では電子制御式の燃料噴射装置が主流になっています。
WEBER とはなんでしょう
「WEBER」とは、主に自動車用エンジンにおける燃料供給システムのメーカーであり、特にキャブレターで有名な企業です。WEBERキャブレターは、エンジンの性能を向上させ、燃料供給を効率化するために広く使用されています。
以下は、WEBERの主な特徴として知られています。
- パフォーマンス: WEBERキャブレターは、エンジンのパフォーマンスを向上させるために設計されています。燃料供給を最適化し、高速域でのパワーやトルクを向上させることができます。
- 耐久性: WEBERキャブレターは、耐久性に優れており、長期間にわたって信頼性の高い性能を提供します。堅牢な構造と高品質の材料で作られています。
- 多様性: WEBERはさまざまな種類のキャブレターを提供しており、さまざまなエンジンに対応することができます。また、単一キャブレターから複数キャブレターシステムまで幅広い選択肢があります。
- 歴史: WEBERは、イタリアのカルボラミーノで1940年に設立されました。以来、自動車業界でのキャブレターのリーディングカンパニーとしての地位を確立しています。
WEBERは、世界中の自動車愛好家やレーシングチームによって高く評価されており、その性能と信頼性から多くの愛好家やチューナーに選ばれています。
TIPO 261MB10 キャブレター取外し
私のFIATに装着のキャブレターは『WEBER』製のシングルキャブレターで『TIPO 261MB10』が装着されてます、恐らく純正品だと思います、こちらを念のためオーバーホールしておきます、今回ジェットの調整や交換は考えておりません、分解、清掃程度の内容になりますが画像を取り入れて案内します。
上側のケースを外すと作業性が良くなります
エンジン本体から取り外していきます
- バッテリーのマイナス端子を外します
- エアクリーナーケースの蓋とインテークホースを外します
- インテークケース上側のナット2本を外してケースを外します
- (白)キャブレタへのスロットルケーブル
- (黄)チョークケーブルを取り外します
- (青)フューエルホースを外し蓋をします
- キャブレタ本体の2本のナットを外してキャブレターを取り外します
外してみて良かった、インシュレーターが割れてました
インシュレーター割れで予想されるトラブルは
※キャブレターインシュレーターは、キャブレターとエンジン本体の間に取り付けられる部品です。その主な目的は、キャブレターがエンジンからの熱を吸収(パーコレーション)しないようにすることです。
エンジンが動作すると、燃焼によって熱が発生し、エンジン本体や周囲の部品が加熱します。この熱がキャブレターに伝わると、燃料の蒸発や混合比の変化などの問題を引き起こす可能性があります。キャブレターインシュレーターは、この熱の移動を防ぎ、キャブレターの効率的な動作を維持するために設計されています。
また、一部のキャブレターインシュレーターには、空気の流れを最適化し、エンジンのパフォーマンスを向上させる役割もあります。
- 二次空気の吸い込みにより
- アイドリングが下がらない、回転が上がる
- キャブ調整ができない
- 始動不良、特に冷間始動不良(燃料が濃くならない)
- パワー不足、加速不良
などが考えられると思います
フューエルホースの取り付け部です、折れたのでしょうか修理の跡があります、この位ガッチリと着くボンドのような物は何でしょう❓これ欲しいです✨
キャブレターの構成部品です
キャブレター内部は思っていたより傷んではないようです
わりと綺麗なキャブレター内ですフロート室に各ジェットの穴や内部を清掃していきます
フロートは一晩水に浸けて内部に浸水などないかを点検しておきます
一通り清掃を行い、詰まりなど確認して組付け作業に入ります
キャブレターのオーバーホールにはこれです
キャブレターを組み付けていきます
いまだに、このように新品のリペアパーツがあるのは、ありがたいです
一応、もし次回キャブレターを外すことになった時用に型取りをしてスペアーガスケットを作っておきます
フロートの動きやレベルの点検をしていきます
取り付け時はこの状態から、ひっくり返って取付けてあります。
銅色の俵型のフロートがフロート室に溜まったガソリンの中に浮いています ※そこでフロートの点検をしました、これ古くなると巣穴ができて中にガソリンが侵入していきます、するとフロートが重くなりフロート室の油面が上がり、エンストやプラグのかぶりが発生します、現在では樹脂製の物がポピュラーになっています。
フロートの付け根にバルブがあります、この先からガソリンがフロート室に入ってきます、フロート室にガソリンが入りフロートが浮いてバルブを閉じます、するとガソリンの供給を止めます。
このタイプは調整はできますが、調子が悪くない限りは触らい方が良いですね、今回はそのまま組付けます。
一応、薄くシールガスケットを塗布して組付けます。
完成です、あとは取付けてキャブ調整をしていきます
アイドリングの調整
暖気をします
チョークの点検です、チョークレバーを戻した時にレバーが完全に戻りきっている事を確認します、戻りきれていないと空燃比、ガスの状態が濃くなりエンジン不調やエンストの原因となります。
(黄色の➱)スロットルアジャストスクリュウですアクセルワイヤーでスロットルバルブを引っ張る際の戻りの位置を調整します、おおまかに調整しておき、エンジンが始動したらエンジンが止まらない程度に調整してください、最終的にアイドルミクスチャで調整後最終的に再度調整を行います。
(青の➱)アイドルミクスチャですアイドリング時のガソリンの量空燃比を調整します、私はキャブの基本一杯に締めて1回転半緩めます。ここでアイドリングや低速での燃調のセッティングが決まらないようでしたら、スロージェットの交換が必要になってきますが、純正キャブなのでそのような事は無いと思います、しいて言えばイタリアの気候と日本の気候の差でもしかするとセッティングが必要になる可能性はあります。
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〖キャブレターの調整〗
- 暖機をします
- チョークがしっかりと開いていることを確認します
- スロットルアジャストスクリュウをねじ込みエンストしない程度にします
- ミクスチャスクリュを回転が上がる方向に回して一番回転が高くなるところを見つけます
- 調整しながらスロットルスクリュで回転を落とした方が分かり易いと思います
- 回転計があるとテスターを見ながらできるので良いと思います
- 調整ができたら、最後はスロットルスクリュでスピードメーター内のジェネレーターランプが薄っすら点くか消えるか位の所でエンジンが安定すれば完了です
- 正確にはCO/HCメーターで測定すると一番良いとは思います、この年式ですと、どうですかCOは1.5%程ではないかと思います。
- (追加)マニホルドゲージでも調子はみれると思います、負圧が一番高いところがベストだと思います、私の昔の記憶で間違っていましたら訂正をお願いいたします。