知人がスカイウェイブのエンジンが掛からないので処分するとの事で、いただいてきました、当初はさっと診た感じではフューエルポンプが動いていないようなので、メーンリレーのような感じがしました、リレーを換えれば治るだろうと、しかし意外とてこずりました。
スズキ スカイウェイブ250 タイプS CJ43a 2002y
フレームナンバーを確認しておきましょう
スカイウェイブを運んできました、もちろんエンジン掛かりません
うちに来た時の状態です、外装は多少は手直しは必要のようですが、それ程悪い状態ではないようです、見た目では左フロントフォークオイル漏れ、シート破れ、外装擦り傷、サイドブレーキ効かない、錆、エンジン掛からない。
乗れるようにしていきましょう
エンジンがかからない症状からみていきましょう、まずいつもの問診で最初の確認ですがこのスクーターの最後の状態です、今回は不明で、雨ざらしで放置してあったそうで詳しいことは不明です。
- バッテリーは12Vで正常です
- セルが回りません(このスクーターはスタンドを上げないとセルが回りません)
◇セルが回らないと始まらないので故障診断していきましょう。
セルが回る条件です
- イグニッションスイッチON
- スタンドを上げる
- キルスイッチはOFF
- ◆ブレーキを握る・・・・〖異常〗ストップランプが点きません
ストップランプ点かないの修理
ストップランプが点かないのでこちらから修理していきます、推測ですが長期雨ざらしという事で、恐らくブレーキスイッチに雨水が侵入して接点不良を起こしているのかと思います。
フロント・リヤのブレーキスイッチを外します+のネジ2本で外れます、錆びている事が多いので慎重に一発で外しましょう、ドライバーで少し叩いておくと外しやすいでね、ただこちらの部品はプラスチックなのであまり強い力で叩かないように。
スイッチにテスターを抵抗器Ωであててブレーキレバーを握ります、握った時に導通(約0Ωに近い接触抵抗)になればスイッチは正常に作動してますが、点検すると握っても0Ωで接点不良がわかります、フロント、リヤとも導通なしでした
画像がわかりずらいと思いますが、ブレーキレバーの付け根の裏側にカプラ2本で付いています。
ブレーキレバーを握るとカチカチ音がしている部品です。
ブレーキスイッチの修理
やはり、状態は良くないですこちらの腐食した部分の清掃と接点部分を軽くペーパーをかけて、いつもので仕上げていきます、今回は組付け時に雨水が侵入しないように液体パッキンで補修しておきます。
導通ができてきましたが、まだ抵抗が大きいようです、もう一度磨いて組み付けていきます
ついでにキルスイッチも点検してスイッチを清掃しておきましょう
分解して接点部分を磨いて接点復活剤を使います
ストップランプが点くようになりました
エンジンを掛けてみましょう
・イグニッションON、キルスイッチOFFでスタンドを上げた瞬間、ウィーンと音が出ました。そうですポンプが回りました、これは掛かるな。
エンジン始動しました
おや? 一晩あけるとまたエンジンがかかりません
また、故障探求のスタートですね、ブレーキスイッチが悪かったのは確かなので、一つ一つ直していきましょう。
ひとまずエンジンが掛かることは確認できたので、他の作業をしてみます
フロントフォークオイル漏れ修理
フロントフォークが見えるとこまで分解します
下に垂れるほどオイル漏れがあります、ブレーキパッドにもかなり垂れてるので、ブレーキパッドも交換でしょうね。
TOPナットを外していくのですが、これ一つで工具を買いたくないので、ダブルナットを作って緩めました。力の入れ具合にコツがいりますが、意外とすんなりと外れました。
緩んで手で回るくらいになったら、フォークを固定しているナット2本を外します。これでフォークは外れます。
フォークの錆を落としましょう、今回は♯800➱♯1000と仕上げていきます、ペーパー掛けは縦方向にかけないようにしましょう。
ダストシールを外すと中に固定用のスナップリングが入っていますここはシリンダーに傷を付けないように慎重に外しましょう、固くないので配線ドライバー位のもので大丈夫です。
底についているヘキサゴのボルトを外します、邪道ですがハンマーで叩いて外しました、エアツールでインパクトがあるようでしたら、そちらを使ってください。
スナップリングを外したら、シリンダをスライドさせてスライディングハンマーのようにして抜き取ります。
エンドスペーサーがフォークに食い込んでます、これは恐らく前回オーバーホール時に上手くできてない感じです。
フォークオイルを抜き取ってみました、このオイルはそれ程古くないですね、これは恐らく前回のオーナーがオーバーホールの失敗ではないでしょうか、オイルの色にエンドストッパーの食い込みにアッパーキャップの締め付け不足と、、、
シリンダー内部の傷もみておきましょう。とくに問題はなさそうです、あとは逆の手順で組み付けていきますフォークにオイルシールを取り付けるときは慎重に作業しましょう、私はラップを巻いてオイルを塗布して入れていきます。
フォークオイルの規定量は284mlです、エア抜きもしておきます。
タイヤにレタリングを施します
ブレーキを点検していきます
キャリパーを外して、パッドの残量、ピストンの動き、オイルシールからのオイル漏れなどを点検していきます、合わせて摺動部にグリスアップしていきます。
外したキャリパーはu字フックなどで吊るしておきましょう
幸い、固着もオイル漏れもありませんでした。
錆びたピストンを磨くために、ブリーダプラグを緩めてエアガンでエアーを吹き込みピストンを出します。
んっ?ピストンの大きさが違う???なんだこれ
ブレーキホースが2本入ってる???ブリーダーも2つ???初めて見ました
清掃してピストンはペーパーを掛けて摺動部のグリスアップをしてフルード交換をしましょう
片側、ピストンが小さい方がエア抜きができない、マスターにエアかみしたかな?でもブレーキレバーの引き具合はガッチリでもんだいなさそう・・・
どうなっているのでしょう、
まさかと思い、リヤブレーキをにぎってみました、そしたらオイルが出てきました???
スカイウェイブはリヤブレーキを掛けるとフロントブレーキもかかる構造になっていました。
ブレーキフルードの交換をしておきます、DOT4を使います
ブレーキディスクを塗装します
まず錆や汚れをとっていきます、脱脂をして塗りたくない所はマスキングをしていきます
塗装をしていきます、
マスキングを剥がしていくとこんな感じになります、ちょっとレーシーじゃないですか?
ベルトを点検します、まだ大丈夫そうです
今回駆動系は触らずそのまま使用します
塗装をしていきます
【スプレーガン】
≪今回使用するスプレーガン≫
オールマイティに使えるようにこちらを選びました、初心者でもどうにか使えてます。
しかし、せっかちな私には塗装は向いていないのですが、現在勉強中で毎回失敗しては手直しにすごく時間がかかりながらも頑張っています。
塗装は慌てず焦らずで最近はちゃんとタイマーを買ってきて塗装をしています。
【下処理用】
・ゼロ収縮 ソーラー 極 ♯180 ポリパテ
傷の形成をします
.染めQテクノロジィ ミッチャクロンマルチ 3.7L
プラスチックに塗装をするので密着を良くす下地塗装です
・ガンメタリックに塗装をするので発色を良くする為に下地にシルバーで塗装をします。
2液のガンメタで塗装をしていきます
・仕上げはクリアーです
外装を外していきます
クリップが多くて外しずらいですね、クリップのセットを買っておきました
バッテリーや配線も外していきます
フロントのボックスの奥にもボルトが止まってます
フレームがごっついですね
外したカウルは中性洗剤で汚れや油分を落とします
乾いたら、傷の修理です傷の部分はペーパーで傷を慣らしていきパテで修正をしていきます
ミッチャクロンを塗装してプラスチックと塗料の密着をよくしていきます
ミッチャクロンを塗装した状態です、ミッチャクロンはFRPなど塗装の付着がしずらい物の時使います。
ミッチャクロンは薄めず原液のまま使用します、塗料が透明なので使った後のスプレーガンの掃除がわかりずらいのですが、べとつきがあるので充分に掃除をしましょう。
ガンメタリックに塗装をしました、塗装が完了です
発色が良くなるように下地にシルバーを塗装してその上からガンメタを塗装します。
ガンメタX3回とクリヤーX2回です、全てもう一工程増やせば良かったと思います、今一つ色に深みがでていません。
ここで、外装は乾燥中でその間に、エンジンが掛からない修理の続きをしていきます。
FIランプが点灯しています、調べてみましょう
スカイウェイヴはインジェクションなんですね、ちょっと厄介な事になってきましたね、
点検用のショートカプラーがあります、ここの白/赤と白/黒をショートさせるとメーターにエラーコードを表示します、私はゼムクリップを使ってショートさせてます。点検するときは十分に気を付けてくださいね、いかなる場合も自己責任で行ってください、あくまでも私の個体での点検です。
エラーコードが出ました ーc41です フーエルポンプ系統です
まだカウルを付けていないので点検がしやすいですね、では点検していきます。
- ポンプがすぐ前にあるので電源を計ってみます・・・0v
- ポンプリレーを点検してみます・・・BTから12v コイルに0v※予想が外れました
- ネットで配線図を探すとポンプリレーの黄色/赤のカプラが悪くなると情報有
☆ビンゴ! ネットはすごいですね
見た目はおかしな感じはないですね。
んっ?これ配線が1本足りない
カプラの中で腐食して折れてました、ここが接触している時は症状が出ず何かの拍子で離れるとエンジンが掛からないという故障ですね、このような接触不良系は診断しずらいですね、調子が良い時はわからなくなるので、ネットの情報が無かったら手こずるとこでした。
カプラ内から抜き取りました、幸いカプラーに溶けが無かったので割とすんなり外れました、一般的にこのような状態だと接点でリークして火花が飛ぶので周りが溶けてしまう事が多いんですよね。配線をハンダ付けしてヒートチューブで手直しです、これで大丈夫でしょう配線を作り直して完成です
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